(個)性的に考える

日常の出来事を真面目に馬鹿な感じで書いていきたいブログです

夏の書店はメッチャ楽しいぞ!という話(+小中高時代の本の思い出)

本屋に行こう!

私はぶらぶらっと歩いて本屋に行って、ふらふらっと歩いて帰るのが好きです。特にこの時期は日没までの時間も長いし、涼しくなってきた夕方あたりに本屋に行くのがとても楽しい。休みの日には「暇だからとりあえず本屋行くか…」みたいな感じ。

それで、夏の時期に本屋へ行くと必ず目に入るコーナーがありまして。

それは、カドカワ集英社講談社がやっている文庫の夏フェアです!

 

kadobun.jp

bunko.shueisha.co.jp

100satsu.com

 

いいですね~、書店の店頭に文庫本が平積みになっている様子には毎年心が躍ります。

毎年各社の文庫100冊程度がピックアップして売られていて、対象の本を買うとキャンペーンに参加できたり、しおりやブックカバーが貰えたりするやつですね。

『こころ』『羅生門』のような、もはや現代常識と言えてしまうような名作から、毎年目にする『夜は短し歩けよ乙女』とか、エッセイとか、まあ色んな本があるわけです。こういう機会に文庫本を買ってみるのもアリですね。

 

ちなみに、私はこのブログを書いているときに岩淵悦太郎の『悪文』がカドカワの夏フェアの対象だと知って、午後8時に急いで買いに走りました。明日から通勤時に読みたいと思います。

www.kadokawa.co.jp

 

さて、せっかく本屋に行ったので、改めてじっくりと書店内を見てきました。すると目に留まったのが、「自由研究」や「自由工作」そして「読書感想文」の文字。そう、夏の文庫フェアの隣にある特設コーナー、小学生の夏休みコーナー(勝手に命名)です!

こちらもなかなかに楽しくて、自由研究のネタの見つけ方、みたいな本とか段ボールで作る自動販売機のキットとか、そういうのが売られているんですね。

 

そして読書感想文関連の本の多いこと。読書感想文コンクールの課題図書が売られているのはもちろん、読書感想文の書き方を指南する本がたくさん売られてました。やっぱり小学生の皆さんはこういう本を買って、書き方を勉強するんですかね。

まあ、学校だと当たり前のように読書感想文って書かされますけど、いきなり「ハイ書いて」と言われても何をどうしろっちゅうねん、って感じですもんね。なんだよ感想って。「面白かったです」じゃダメなのかい?

 

読書感想文の思い出

個人的に読書感想文自体は好きですが、書き方は教えてもらえないし、原稿用紙5枚ぶん書けって言われるし、こんなんじゃ文章嫌いを増やすだけだと思っちゃいます。

小学生の頃のほとけ少年はひねくれていたので、課題図書を読んでは「つまんねー」と放り投げ、賞をとったというどこぞの小学生の感想文を読んでは「ずいぶんと大人に媚びた文章だなあ?」と軽蔑していました。ヤな奴ですよね。

 

そんな私も小4までは辛うじて純真な心を保っていたので、読書感想文で何かの賞をもらった経験があります。どんな賞だったかは全然覚えてないんですが、その時の題材にしてた本が『ハッピーバースデー』だったことは間違いないです。確か大橋のぞみが主人公の女の子役でドラマにもなりましたね。

 

 

あらすじは、

親に虐待されてた女の子の声が出なくなって、祖父母のところで療養して心身ともに逞しくなって帰ってきて、声も出せるようになって、それから学校のイジメとか家族のイザコザとかが少しずつ解決していく。

 

みたいな感じだったと思います。

私は主人公のお兄ちゃんが好きですねー。もともとは親のいいなりで妹のことも適当にあしらってたんですけど、だんだんそんな自分に疑問を感じるようになって、最終的には妹の理解者となりつつ自分の生き方を見つけていく、っていう。細部は忘れてしまってますが、こんな感じだったね確か。

当時は純粋に感動して、ただ思ったままを感想文に書いたんだと思いますが、なんか学校の先生たちに気に入られたんだと思います。いえーい。

 

個人的には読書感想文で賞をとろうと思ったら、本選びの時点で7割は決まってると思います。いや、今の読書感想文事情は知りませんが、少なくとも私が書いていた当時はそうだったという実感がありますよ。先生に気に入られそうな本(道徳的示唆に富む本や、環境や社会の問題について書かれた本などがベター。)を読んで、先生に気に入られそうな感想を書いたもん勝ちです。「改めて気づかされました」「ハッとさせられました」「私も〇〇のように××しようと思いました」を組み合わせて君だけの最強デッキを作ろう!

 

どうせなら読書感想文よりも「読書プレゼン大会」とかのほうが面白そうじゃないですか?自分が面白いと思った本について文章や絵を描き、クラスで発表して、面白そう!と思わせたら勝ち、みたいな。プレゼン力って後々きっと役立つと思うし、「面白いと思わせる」っていう明確な目標があったほうがやりがいもありますって。

読書感想文って何のために書いてるのかわからないのが問題だと思うんですよね。学校の宿題で、書けって言われるから書いてるだけで。なんか高尚なこと書かなきゃいけないのかな~みたいな気にもなっちゃうし。

 

 

本が面白すぎて困った話

ついでにもう少しだけ自分と本の話をさせてください。

読書歴二十余年、それなりに本を愛してきた私ですが、一番読書をしていたのは間違いなく中学生のときです。

 

 

中1のとき、学校の図書室で『キノの旅』に出会い、プロローグとエピローグの意味に気づいたときには感動と興奮でベッドの上を転げ回ったことを覚えています。

 

 

 

国語の先生に勧められて読んだ『ペンギン・ハイウェイ』は、夜寝る前に「ちょっと読もうかなー」と読み始めて気づいたら2時間経ってて、そこまで集中していた自分に自分でめっちゃビビりました。

 

 

ペンギン・ハイウェイ』はどこを切っても"カワイイ"に溢れている。それもあざとく見せびらかすようなかわいさではなく、奥ゆかしくて面映ゆくて、眺めているとそっと抱きしめたくなるような、そんなかわいさに溢れた珠玉の一冊だと思っています。

本文冒頭の一節

「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。

 だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。」

そう語る、主人公のアオヤマ君。なんだかもうこの冒頭の語り口からしてめっちゃくちゃカワイイ。そんな彼は小学4年生だが、「他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。」と研鑽を積むことに余念がないし、「結婚してほしいと言ってくる女の人もたくさんいるかもしれない。けれどもぼくはもう相手を決めてしまったので、結婚してあげるわけにはいかないのである。」と堅気で一途な面も持っている。さらに、本文中にはアオヤマ君が真面目に「おっぱいについて」考察するシーンが入っており、もうなんだか私にとっては師匠のような存在です。

「尊敬する人物を10人挙げよ」と言われたら、私は確実に4番目までに彼の名を挙げるだろう。そんな感じ。

 

ペンギン・ハイウェイ』の作者は森見登美彦だが、同作者の『夜は短し歩けよ乙女』を読んでいた中学生の私は、「本が面白すぎて遅刻する」という珍事を起こしてしまいました。

 

 

毎週月曜日には体育館で朝礼があるんですけど、教室で『夜は短し歩けよ乙女』を読んでいた私はそのことを失念していて、気づいたら周りの人はみんな体育館に行ってしまって誰もいないという。慌てて教室を飛び出したわけですが、なんだかそこまでハマることのできる小説に出会えたんだという事実が感じられて、遅刻したのにむしろ嬉しかった記憶があります。ちなみにその時読んでいたのは、本文内で初めて「おともだちパンチ」をかました辺りのシーンです。いやあ、この辺を読んでたら夢中にもなるわいな。

 

 

おわりに

さて、今回はなんだか趣味と自分語り全開の記事になってしまいました。

今の自分は学生の頃よりも読書量がぐんと減ってますが、いつかまた、これまでの読書人生で何回かあったような感動を味わえたらいいなあと思う次第であります。

 

とりあえず、みんなも本屋に行こう!

その前に、私はこちらの「買ったけどまだ読み終わってない本」たちを片付けることにするぜ!

 

 

 

うわぁ、頑張ろう…